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1999年3月の日記

         
1999年03月31日(水) 委託後の家庭訪問 (まじまじ)


今日は引き取られて2カ月たったKちゃんのところに委託後の家庭訪問に行った。
Kちゃんは現在11カ月。引き取られるまではあまり動かずよく太った赤ちゃんだったが、
今では伝い歩きをして元気に動き回り、一瞬たりともとどまっていない。
そのせいか少しひきしまったようである。離乳食をもりもり食べ、快食、快眠、快便とのこと。
遊び食べにも里母さんがしっかり付き合ってくれている。
「家事はなんにもできなくて・・」と言いながらも里母さんは楽しそうで、ホッとして帰った。

           
1999年03月30日(火) 愛の手の取材 (がみがみ)


今日は「愛の手」の取材の日。今日は、9カ月になるT君。
取材のために、保母さんにきれいに髪をカットしてもらったT君はとてもご機嫌で、
愛想もよく、かわいい写真がいっぱい撮れた楽な取材だった。
担当の記者さんの子どもも、T君と同じ9カ月の男の子だということで、
思い入れもまた格別だったようだ。
実は、T君が「愛の手」に掲載されるのは、2回目。前回の掲載から半年がたち、
ずいぶんとお兄ちゃんになったT君に、今度こそステキな出会いがありますように。

           
1999年03月29日(月) 名付け親になる (わさわさ)


5才から引き取られて現在35才になる里子が、今日2人目の子どもを出産しました。
里子として育った彼女には、長く里母との確執があって、
結婚はしたが子どもの母親になることに随分と不安を持っていました。
小さい時から賢い子どもで、それだけに大人の心の内がすぐに読みとれ、
大人の見栄やごまかしにすぐに気づき、傷つきやすく、また怒りを貯めやすい、
そしてとても純粋な子どもでした。
5才までに必要だった愛情を里母によっては満たされなかった
淋しさと悲しさと怒りをずっと引きずってきました。
 そんな彼女に付き合いながら、親になることでしか里母との確執を乗り越えられないと、
私は子どもを産むことを勧めてきました。
そんないきさつもあって、最初の子どもの時にも彼女に頼まれて名付け親になりました。
「子どもは1人で十分や」と言っていた彼女が「二人目を産もうと思うねん」と
話してくれた時には、とてもうれしく思ったものでした。
 今回も、「名付け親になってや・・」と言われていたし、
最近では産まれるまでに性別も判明しますので、1カ月前から頭を悩ませていました。
分娩室から「無事に産まれたよ。今日病院に来てくれる?
私の大好きな○○屋の上にぎり買ってきて。
名前ないと不便やからな、名前考えてくれてんねやろ」という電話。
急いで考えていた名前を半紙に書いて、
いそいそとまるで孫に会いに行くような気持ちで病院に駆けつけました。
元気な母子に出会ってほっとした一日でした。
           

1999年03月27日(土) 弟ができた! (がみがみ)


今日はTくんの引き取りの日。里親さんにとっては、2人目の養子となる。
3年前の5月に2才で引き取ったお兄ちゃんのKくんは、もうすぐ幼稚園の年長さん。
「弟ができる」というので大喜びだ。
幼稚園の友だちにも、「3月にな、大阪に弟を迎えに行くねん」と言いまわっているらしい。
「おばちゃんとこ、3月になったら、Kくんの弟できるんやろ」
「でも、おばちゃんは産めへんねんな。大阪にもらいに行くねんな」と、
Kくんのクラスメイトから言われた・・と、里母も苦笑いだった。
が、子どもたちは、「Kくんのおばちゃんは子どもを産まない。
でも、大阪から弟をもらってくる」ということを、それほど疑問に思うことなく、
ごくごく自然に受け止めているようだ。
Kくんも、すでに「お母さんのおなかからは産まれられなかったけれど、
家族になった」ことを伝えられていて、
Tくんと同じように、「子どもがいっぱいいる所」に今のお父さんとお母さんが迎えに来たということを、
なんとなく理解はしているようだ。  
何かとTくんの世話をやきたくてたまらず、「お兄ちゃんぶり」を発揮しているKくんだが、
いよいよTくんも一緒の生活が始まれば、
これまで独り占めにしていた「お父さん、お母さん」の奪い合い(?)が始まるんだろうなぁ。
どんな「きょうだい関係」ができあがっていくのか、楽しみだ。

           
1999年03月25日(木) 里親研修会 (けたけた)


今日、大阪府、市里親会合同の「親と子のふれあい講座」が開催され、参加をさせてもらった。
講師は、NHK「生活笑百科」でおなじみの弁護士 三瀬 顕氏。
「家庭と親子の笑百科」というテーマで2時間ほど話をされた。
弁護士という立場や、三瀬氏自身の育ちとを重ねながら、
子どもたちを取り巻く環境の矛盾を、熱っぽく語ってくださった。  
話の中で、「神さまは人それぞれに光るものを与えてくれた」
「どんな石でも光る可能性がある」という言葉があり、思わず書きとめた。
「愛の手」の子ども達には、どんな「光り」があって、どんな育て親と出会って、
どんな風に「光って」くれるのかなぁと思いながら、話を聞いた。

           
1999年03月23日(火) ふれあい発送 (がみがみ)


今日は、協会発行の月刊紙「あたらしいふれあい」3月号の発送作業の日。  
3200部をこえる月刊紙を4つ折りにし、封筒につめ、封をして、
郵便番号別に分けて紐でくくる・・・という作業を行う。
ボランティアさんのお手伝いなくしては、とてもとてもできない。
今日のボランティアさんは、総勢6名。
みなさん、手慣れた方ばかりで、今日は機械の調子も良く、いつもに増してハイスピード。
10時から作業を始め、12時半にはすべての作業が完了した。  
3月号には、ホームページのアドレスも掲載した。またまた「アクセス」が増えるかな??
もっと、充実したページを作らなくては・・と、ちょっとあせっている。

           
1999年03月20日(土) 養親講座、終了 (うとうと)


今日で、3回連続の養親講座が終了した。
年に3回行っているが、毎回約15組ほどの「養子を育てたい」と考えている夫婦が参加する。
1回目は、養子を育てて一段落した養親さんに来てもらって、これまでの体験談を話して頂く。
 2回目は参加者全員で参加してもらうワーク。
そして3回目には、養子縁組に関する法律の説明と、
「血のつながりのない親子を創ること」における様々な、協会が体験したことがらについての話。
講座に参加するまでは、漠然としか考えていなかった「養子を育てるということ」が、
講座に出ることで、具体的な現実感を持ったものになっていく。
中には養子をもらって育てることを「やめることにしました」と、結論を出す夫妻もいるが、
「困難でもやっぱり養子を育てたい」という夫妻が多い。
いつも「この中の何組の方にご縁があるかな」と思う。
協会には決まっていない「愛の手」の子どもたちがいる。その子どもたちに是非!

           
1999年03月18日(木) HPのオープン (まじまじ)


ついに協会のホームページOPEN!  
苦節1カ月半、そろそろホームページができあがりつつある今日このごろ。
仕上がりとともに本当に転送されるかどうか心配になってきた。
試しにこの段階で送ってみよう!
偶然にも転送できたので、ホームページ完成を何人かの方にメールでお知らせしたところ、
東京の養育里親さんの「シドさんの里親と里子のホームページ(人間の)」で紹介していただいた。
電話線にのったんだ、と実感した。まだまだ工事中のところも多く恥ずかしいばかり・・。

           
1999年03月11日(木) 里親さんからの電話 (がみがみ)


昨日、Fちゃんと面会をしたNさんから電話。  
「今、実習の帰り道なんですけどね。今日、実習に行ったら、
Fちゃんが手をつながせてくれたんです!ちゃんと覚えててくれてたみたいで、
一緒に手をつないで散歩できたんです」と弾んだ声。
「うれしくて、うれしくて、電話してしまいました」とのこと。
「ほんとに良かったねぇ!」と答えつつ、その反動がきませんように・・・、
ずっとこの調子でうまくいって引き取りの日を迎えられますように・・・と祈るような思いでいる。

           
1999年03月10日(水) Fちゃんの面会 (がみがみ)


今日は、3才8カ月のFちゃんと、N夫妻との「お見合い」の日。
 「お出かけ用」のかわいい服に着替えさせられ、
数人の友だちと一緒に園庭に出てきたFちゃんだが、
他の子どもは元気に遊んでいるのに、Fちゃんはなかなか保母さんのそばを離れない。
N夫妻がおみやげに持ってきた「アンパンマンの人形セット」を出しても、
ポケットに両手を突っ込んだまま、身じろぎもしない。
保母さんに、「Fちゃん、かわいいのもらったねぇ。あけてごらん」と言ってもらって、
やっと包みをほどきだした。
そのおみやげが気に入ったのか、少し気持ちもほぐれ、笑顔も見られるようになった。
面会用の部屋で、里親さんと一緒におやつを食べたり、アンパンマン人形で遊んだり・・・。
「声」はほとんど聞かれなかったけれども、Fちゃんにしては「上出来」の面会だというのが、
保母さんとワーカーさんの弁。
ドキドキして、前日もよく眠れなかったという里母さんのNさんも、
思いのほかスムーズに進んだ初の面会にとても嬉しそうで、早速、明日より実習に入るとのこと。
自宅から施設まで、片道2時間あまりの通勤(?)が始まる。
 「面会がうまくいっても、次の日には態度を変える子どももいるからね!」と脅され(?)ながらも、
夫妻ともに「やっと我が子になる子どもに出会えた」という思いでウキウキだった。
4才前の子どもとの「親子むすび」はこれからが大変だろうけど、がんばってほしいなぁと思う。