過去ワーカー日記 本文へジャンプ


1999年8月の日記

         
1999年08月30日(月) 足し算の育児 (がみがみ)


大阪市の里親会の宿泊研修に続き、大阪府の里親連合会でも宿泊研修が行われた。
1日目の夜の交流会では、それぞれの里親さん、養親さんが、子どもとの生活のいろいろを話された。
子ども自慢あり、苦労話あり、真実告知の体験談あり・・・で、
1時間あまりの時間があっと言う間に過ぎてしまった。
 2日めは、「真実告知について」、「思春期について」、「養育里親について」の
3つの分科会に分かれ、さまざまな意見を交流しあった。
ある里親さんが、自分の子どもの入学式に参加した時、校長先生が挨拶で話されたという話。
「子どもを見る時、100点からマイナスしていかないでください。
0点から、積み重ねていってやってください」。  
この話を聞いて、1人の養親さんは、
「ほんとにそうやね。『いいところ』をいっぱい見つけてやったら、
100点にも120点にもなりそうやものね」と言っておられた。
ついつい、だめなところ、できないところばかりに目がいきがちだけれども、
子どものプラスのところをしっかり見て、「足し算の育児」ができたらいいですね。

          
1999年08月25日(水) 宿泊研修へ (まじまじ)

 
大阪市里親会の宿泊研修に参加した。
丹波篠山の「ユニトピアささやま」というレジャー施設で1泊2日した。
池があり、川があり、緑が多くて・・と気持ちのよいところで、
研修に来ているということも忘れてのんびりした。  
里親さんは約20家庭が参加しておられた。
養育の里親さんが多いので普段おつきあいしている里親さんとは、また趣が違う。
里親さんどうしはおつきあいが深い様子で、和気あいあいとしておられ横のつながりが感じられた。
子どもどうしも普段から兄弟姉妹のようで縦の関係がしっかりとしていた。  
子どもの達が出してくるエネルギーに応えておられる里親さんたちのパワーに改めて関心した。

           
1999年08月17日(火) ファザーレス (うとうと)


先日「ファザーレス」という映画を観に行った。
東京にある「日本映画学校」の学生が、卒業制作して作った映画である。
制作者自身の母親、実父、義父への複雑な思いが映画という方法で表現されている。
登場人物は皆、そのまま実在者であり、それだから、演技ではない、
生の感情がもろに現れている。それが胸に迫ってきて、私はとてもぐっときた。  
ぜひ、いろいろな人たちに観ていただきたい映画である。

          
1999年08月11日(水) 協会とは何ぞや? (がみがみ)


Mちゃん母子の来訪。4才10カ月になるMちゃんは、何度か協会に遊びにきてくれている。
しかし、最近、はたと疑問に思ったらしい。
「がみがみさんは、お母さんの友だちなのか?」
「それなら、なぜ、がみがみさんの家ではなく、会社に遊びに行くのか?」
「がみがみさんの会社は、なぜおもちゃがいっぱいあるのか?」
「がみがみさんの会社においてある子どもたちの写真は何なのか?」
「がみがみさんの会社にいるお姉さん達は、一体何の仕事をしてるのか?」  
たかだか4才・・・と思いがちだが、なかなか鋭いところをついてくる。あなどれない。  
協会は、おもちゃもいっぱいあって、Mちゃんにとっても楽しい場所なのだが、疑問もいっぱいの様子。
最近、人間が母親のおなかのなかから産まれて、育って、死んでいく・・・
という人間の営みが少しずつ分かってきたそうだ。
なんとなく、「自分は赤ちゃんの時には、この家にはいなかった」ということも感じているみたいで、
お母さんも「そろそろ、ちゃんと話をしてやった方がいいのかな?」と思い始めているようだ。  

           
1999年08月09日(月) 委託後の家庭訪問 (まじまじ)


Aちゃんの家庭訪問に行った。
協会では引き取られて1月ぐらい経た頃にその後の様子を見に行く。
Aちゃんはすっかり家に馴染み元気そうだった。
「こんにちは」と出迎えてくれ、おやつも残さず食べている。
様子を見ていると元気よくハイテンションなものの、とても「いい子」である。
3才児が引き取られて1月目でこんないい子になっているとは・・うむむ。
Aちゃんが引き取られてからの写真を見せてもらうと大口を開けてすいかを食べていたり、
ビニールプールで遊んでいたりとなかなか楽しそうだった。
ただ、ほとんど甘えたりわがままを言ったりしないのが気になった。
里母さんも「困っていることはないんです」と言うし、
Aちゃんはあっという間に赤ちゃん返りを過ぎてしまったのか・・。
かんぐりすぎかもしれないのであるが、Aちゃんは頭も良く、勘もいいので
大人の顔を読み過ぎてしまうようである。
「待っててね」と言われれば待ってしまうし、「テレビをみる時は座りなさい」と言われれば座ってしまう。
既に大人がリードする生活になっている気さえする。
1年近くかけて親子の信頼関係をつくり、徐々に落ち着いてくる3才児も多いので、
あまりの落ち着きぶりに心配がよぎる。
里母さんと「Aちゃんはプライドもあるしなかなか甘えを出せないのでは・・」と話し合い、
里母さんからできるだけ抱っこを誘ってもらうことにした。Aちゃん、わがままがんばれ!!

           
1999年08月03日(火) 里親担当者会議 (けたけた)


里親担当者会議に出席した。
里親担当者会議というのは、毎月月始めに行われる会議で、
大阪府子ども家庭センター7カ所と、大阪市中央児童相談所と協会との3者の会議である。
愛の手に掲載された子どもで、協会が家庭訪問し、
推薦の決定をした里親候補者について、報告し、検討会をしている。  
協会が、その里親を面接、家庭訪問をして、知り得たその夫婦の「人となり」、
夫婦が子どもを育てたい必然性、その子どもをどんなに望んでいるのか、
夫婦はどんなお父さん、お母さんになるのかなどなど・・・。
これから先、夫婦がどんな子育てをし、どういう人生を歩んでいくかはわからないが、
そこに子どもが入り、どうなっていくのか、
子どもの人生も、夫婦の人生も大きく変わる決断をする場であり、
児童相談所と協会が、子どもにとっての最善の利益を改めて考える場でもある。